図1.jpg

PUREクラブとは

​キム・ゼフス

behavior techniscian 行動分析専門家

学歴:

ウィスコンシンルーテル大学で心理学の学士号を取得(2012)

フェニックス大学心理学修士(2015)

アリゾナ州立大学の応用行動分析(終了証明書)(2020)

 

経歴:行動専門家(2016-2020)発達障害の子供と一対一で接しながら治療する

"PUREクラブ"とは、自閉症、発達障害、知的障害の方、そのような症状を持つ幼児、子供、若者、成人の方とそのご家族をサポートするために2020年に作られたグループです。

最初は、障害をもったお子さんたちを教会の方たちがしばらく遊んだり、面倒見てくださっている間に、保護者の方たちといろいろな悩み、喜び、質問を共有する活動を行っていました。互いに同じような境遇、重荷、試練、喜びを持った方で時間を共有することはすばらしい機会です。

しかし、だんだんと具体的で専門的な人のアドバイスを聞きたいという意見も出てきたので、アメリカの姉妹教会の非営利団体キングダム・ウァーカーズに相談したところ、適切な方、キム・ゼフスさんをご紹介いただきました。そればかりではなく、基金を設立し、たくさんの方のご賛同をいただくことによって日本に滞在しながら、障害児、障害者、そのご家族をサポートいただけることになりました。

今はまだコロナ禍により、来日ができませんので、オンラインによっていろいろな方の悩みなど相談に乗っていただいております。

主が良い時期にキムさんの来日を導いてくださいますように。

​キム・ゼフスさんの行ってきた行動専門家の活動内容

キムさんがアメリカで専門家として働いていた仕事は、日本にはまだ導入されていないようです。(キムさんの仕事の正式な日本語名もありません。)

キムさんは障害児2歳から19歳までのお子さんのそばで、この仕事を4年間続けてきました。主な目的は、彼らの行動を分析し、訓練し、変えることです。

たとえば、ある生徒が授業中に奇声を突然に発したり、クラスから出て行き、いつも外の発電機のそばにいるという行動があるとします。キムさんは学校や家庭などでその子供のそばにいながら、その子供の行動を分析し、理由、原因を調べます。キムさんは単独で治療するのではなく、IEPという医師、専門的な監督者、キムさん、保護者、学校の教師でチームを作り、共に共同で働き、子供の行動の分析結果、意見、提案などの情報を共有します。その子供の行動改善のゴールが「教室でみんなと一緒に授業に参加する」ならば、それを達成するために皆がチームとして働くのです。

日本だと、そのような生徒を別の部屋に移して個別に指導したり、保護者の主観的な考えに従って医者に問題行動について短い時間で伝え、医者はその話をもとに対応、治療をします。もしかしたら、薬で問題行動を押さえるだけかもしれません。そのようにばらばらにサポートするのではなく、キムさんのような専門家が子供の行動の原因や理由などを調べ、有機的にサポートすることで、より効果的に子供の態度と行動を変えていき、将来的には子供が仕事場、社会生活でも落ち着いて勉強や仕事、生活を送れるようにしていきます。

キムさんの仕事での一つの例があります。4歳の話すことのできない女の子がいました。その女の子はよく両親を引っ張ります。言葉を使って話ができなくても、彼女の中には感情も意思もあります。しかし、それを伝達する手段が見つからないのです。また、両親や周りの人が行う一般的なコミュニケーションでは、彼女は意思の疎通ができないのです。

キムさんは彼女のそばで、彼女の行動を分析した結果、彼女にいろいろな絵を与え、彼女が伝えたい感情や意思に当てはまる絵を指さすことで、コミュニケーションがとれるようになりました。それによって周りの人も彼女の感情、意思を理解することができるようになりました。

 また、ある子どもがいつも両手を叩きます。それだけでは、周りの人はその子がどのような意思表示をしているのかが理解できず、ただ手を叩くことをやめるようにと促すかもしれません。コミュニケーションが取れないということは、その子にもストレスですが、周りの人にもストレスを与えます。しかし、手を叩くという行動にも何らかの意思があります。その子をよく観察し、分析し、絵を与えてみました。するとその手を叩く行動は、「おなかが空いた」という意思表示でした。キムさんは手を叩く伝達手段では誰も理解してくれなく、効果がないので、食べ物の絵を使って意思を示すように訓練しました。一度うまくコミュニケーションが取れると、その子も、周りの人もうれしくなります。また、コミュニケーションが楽しくなります。他にも意思を伝えようとがんばって訓練する意欲がわいてきます。その結果、コミュニケーションにおいてどんどん成長します。

 ある高校生にはIpadを渡しました。その子はいつも紐からぶら下げて、ipadをもっていました。その子は、コミュニケーションを取るときに「会話」ではなく、iPadの絵を検索して見せることによって意思表示をすることができるようになったのです。いつもIpadを持っていることは、その子にとっても安心になりました。それはその子にとって「いつもことばをもっている」「いつでもコミュニケーションできる。意思伝達ができる」という安心です。アメリカでは自閉症、発達障害の子供の特徴として、字を書くのが遅い、苦手であることが分かっているので、ノートの書き写しなどをしないで、教師が自分のタブレットにある授業内容を、発達障害の子供のタブレットに送ります。または、スマートボードに書いた内容を書き写すのではなく、タブレットで写真を撮って、それを印刷するようにします。そのようにして、その子が書くことに一生懸命になりすぎて、授業の内容を聞くことができない→勉強が分からなくなるという悪循環を防いであげるのです。このようにタブレットなどの発達した機器などを利用することで、障害を持った子供たちの意思伝達をより豊かにし、作業を助け、安心感を与え、ストレスを軽減し、より多くの可能性を引き出すことができます。

 

キムさんはこのような子供たちに、一日3時間、週5日間付き添って、彼らの問題と行動をよく観察し、分析します。行動を変えるためにはすぐには変わりません。それには訓練が必要です。そのためには2,3か月かかります。

目標やゴールは1つでなくても、4から5個の目標、ゴールを同時に持つこともできます。しかし、大事なことは、発達障害、自閉症と言っても、みな同じ障害の傾向、度合い、行動をとることはありません。一般的に言われている対応が当てはまらないかもしれません。ですから、一人ひとり、目標やゴール、そして訓練の仕方、やり方が違うのです。
 一番効果的な方法はゲーム(楽しんで)を使って教えたり、訓練することです。楽しくないと長続きしません。キムさんは3歳の女の子には人形を使い、10歳の男の子には好きなおもちゃを使いました。それは一番自然な方法です。または行動の訓練としてキムさんの「真似」をさせて、同じ行動をとるように促し、行動を覚えさせたり、視覚効果となる絵を使って訓練をしました。

様々なコミュニケーションの方法

発達障害、自閉症の子供を抱えた多くの親が悩むことは、コミュニケーションの問題です。コミュニケーション不足のために、このような障害をかかえる子供たちの世界はとても狭いです。小さいグループで会話の練習を始めるとよいです。そうすれば、少しずつ会話に自信が持てるようになります。そのグループの中には大人も混ぜて良いでしょう。

しかし、覚えなければならないことは、コミュニケーションは「ことば」だけで行われるのではありません。他にも手話、体全体での動きや絵もその手段の一つです。双方が異なるコミュニケーションを用いることもできます。両者が同じ手段(絵←→絵)だけではなく、(絵←→手話)というコミュニケーションも可能です。

 

励まし

日本では障害についての認知、理解がまだ遅れていると感じます。アフリカの後進国でも、生まれつき障害を持った子供は、悪霊に取り付かれているとみなされ、村や家族からも隔離されてしまいます。そのような子供に触れると自分も悪霊に取り付かれると恐れ、生まれてから一度も抱っこもされない子供もいます。外に出すと近所の人たちに、障害を持った子供の家族とみなされ社会生活が送れなくなるので、暗い部屋の中でずっと閉じ込めて11年間一度も外に出たことがない子供もいます。

そのような差別のある国、地域では、何が一番必要か。それは「励まし」です。自分の子供に生まれつき障害があるということを知ることはショックであり、受け入れるのに時間がかかるかもしれません。どこにいけば助けを得られるかわからないかもしれません。夫や身内、周りの人から励ましではなく、生んだ母親が責められたり、子育てのやり方を非難されるかもしれません。コミュニケーションがうまくとれずに、双方がストレスを感じます。社会からも奇異な目で見られたり、生活に多くの制限がでてストレスがたまるかもしれません。

アメリカでは全てではありませんが、チーム、グループを作り、障害児を持つ親が孤立しないように助けます。先ほどのIEPのように、病院(医師)、学校(教師)、両親、そしてセラピストや専門家がチームを作り、障害児のためのサポートチームを作ります。目標やゴールをつくり、それを達成するために、チームとして取り組みます。6カ月に一回、チームが会い、それまでの取り組みを評価、分析し、場合によってゴールを実現するために取り組み方、訓練、接し方などを変えたりすることがあります。親はそのようなチームに属することで、障害を持った子供を育てるという大変さの中でも、一人ではなはないという安心感、励ましがいつもあります。また、素人の単なる推測ではなく、正しい障害についての情報を与えてくれる専門家がつねに寄り添い、ストレスを分かつことができ、葛藤と悩みを聞いてくれてそれに対処できる専門家がそばにいます。

そのように障害を持った子供だけではなく、その親、家族をも受け入れ、理解してあげること。彼らの障害児への取り組みが間違っていても、責めたりしないで励まします。そのような愛情が、子供や家族を安心させ、訓練していく動機と意欲を高め、継続性を与え、劇的な変化をもたらします。

TVWu1ezw_400x400.jpg

Kingdom Workers

​アメリカの姉妹教会の非営利団体